東証プライム上場の炭素製品メーカー「日本カーボン」(東京都中央区)で起きた痛ましいパワハラ事件。
2021年1月、入社からわずか2年目の25歳の男性研究員が社宅で自ら命を絶ちました。
この記事では、研究員を追い詰めた上司はどんな人物かにフォーカスして、
上司の発言内容、日本カーボンの対応についてまとめてみました。
日本カーボンでパワハラと言われている上司はどんな人物?

この事件の中心となる上司は、研究所内でリーダー格とされる立場の人物でした。
正式な氏名は公表されていませんが、新人研究員に対する指導・監督権限を持っていたとされています。
月次の進捗レポートに対して、どう改善すべきかの具体的な指示をすることなく、ただ「やり直せ」と命じるだけ。
問題点の指摘や改善方法の提示といった本来の指導者の役割を果たしていませんでした。時事通信
こうした姿勢は「指導」というよりも、むしろ「管理」や「監視」に近いものであり、若手の成長を促すどころか、精神的に追い詰める結果となりました。
日本カーボンでパワハラと言われている発言内容は?

日本カーボンでパワハラと言われている発言内容は、
「お前は使えない」「お前の考察は信用できない」「価値がない」といった言葉を繰り返し投げかけていたとされています。時事通信
また「わけわからん。やり直し」「そんな実験するのわけわからんから考え直せ」といった発言も頻繁だったようです。
労働基準監督署はこれらの発言について「言葉尻が厳しく、経験が浅い労働者にとっては強い叱責に当たる」と評価しています。朝日新聞
毎月提出が求められる進捗レポートについて、上司は具体的な指示をすることなく何度も再提出を命じていました。
さらに月に一度の社内研究報告会の直前に「今から全部やり直せ」と指示するなど、極限状態に追い込む行為も常態化していたようです。
「これなら派遣(社員)でいい」などと発言し、高度な専門教育を受けた研究者としての自尊心を傷つけることもあったといいます。ベンゴーニュース
こうした発言は、相手の人格を否定するだけでなく、成長を促す要素がまったくないですね。
そんな発言を繰り返す人は、
「成長阻害専門アドバイザー」と言うのがふさわしいかもしれません。
会社の「威圧係」ですね。
パワハラと言われている出来事の日本カーボンの対応は?

男性研究員は精神的につらいことを、人事担当者に訴えても十分な対応がなかったようですが、
2020年11月頃、
しかし、その「配置転換」は実質的にはほとんど意味をなさないものでした。
この配置転換は、なにか意味があるの?と、言いたくなりますね。
研究員の気持ちって、まったく考えていないとしか見れないと感じます。
この点についての日本カーボンの見解は、その対応は適切だったといっています。
と、発言しています。NHKニュース
この出来事は、日本カーボンはパワハラにならないのか?

労働基準監督署は2024年4月22日付で、男性研究員の自殺について労災と認め、保険給付を決定しました。
亡くなる2か月前の2020年11月には精神障害を発症していたと判断し、業務との因果関係を認めています。
専門家がパワハラではないと言うのは、それなりの基準があると思いますが、世間はそう捉えているでしょうか?
SNSの意見を見てみると、パワハラでないなら何なの?
といったコメントが多いですね。
この出来事を調べていて、やはり、というよりかなり矛盾しているなと感じます。
こうしたパワハラ問題は、日本カーボンだけの話だけなく、多くの企業であるのでしょうか?
パワハラは防止できる?

2020年6月に「パワハラ防止法」(改正労働施策総合推進法)が施行されています。
企業に対してパワーハラスメント防止のための措置を義務付けて、
大企業は2020年6月から、中小企業は2022年4月からこの義務が適用されています。
パワハラを防止し、健全な職場環境を構築するためには、以下のような取り組みが効果的であるとありました。
- 経営トップによるハラスメント防止の明確なメッセージの発信
- 管理職向けのハラスメント防止研修の定期的実施
- 新入社員や若手社員を対象としたメンタリング制度の導入
- 定期的な職場環境調査の実施とフィードバック
- 匿名で相談できるホットラインの整備
- ハラスメント事案が発生した場合の明確な処分基準の策定
パワハラであってもなくても、勤めていてつらかったり、しんどかったりしたら、専門分野に相談しましょう!
そんな気持ちになれないときもあるかもしれませんが、そうするのは、とても大切ことです。
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