投打二刀流という「不可能」を「可能」に変え、メジャーリーグで「50本塁打、50盗塁」という前人未到の記録を打ち立てた大谷翔平選手。
彼の驚異的な活躍の背景には、ただ並外れた身体能力や野球センスだけでなく、特別な思考法と哲学があります。
その思考の源泉の一つが、大谷選手の愛読書、稲盛和夫氏の『生き方 人間として一番大切なこと』という本です。
この記事では、大谷翔平選手の愛読書である『生き方』を勧める5選を紹介します。
大谷翔平の愛読書『生き方』との出会い
大谷翔平選手と稲盛和夫氏の『生き方』との出会いは、彼のプロ入り前にさかのぼります。
2017年にゲーム大手コナミが実施したアンケートで、大谷選手は「お勧めの本」として「生き方 稲盛和夫」と直筆で回答しています。

<KONAMIが公開した17年の大谷の直筆アンケート>
当時はまだ日本ハムファイターズに所属し、メジャーリーグへの挑戦を前にした時期でした。
大谷翔平さんの愛読書として、「生き方」を上げたことは、日本ハム時代から持っていた価値観や考え方が、
現在の彼の成功につながっていることを理解するのに大変役立ちますね。
大谷翔平が勧める愛読書「生き方」について

大谷翔平さんが「お勧めの本」として挙げられた稲盛和夫氏の『生き方 人間として一番大切なこと』本は以下のような特徴を持っています
- 出版社: サンマーク出版(2004年7月刊行)
- 著者: 稲盛和夫(京セラ・KDDI創業者、JAL再建を主導)
- 特徴:
- 日本国内で150万部、世界16カ国で翻訳され、世界全体で770万部を突破
- 発売から約10年かけて100万部を達成した息の長いベストセラー
- 「人間として正しいことを追求する」という指針を説く人生哲学書
- 内容の要点:
- 「人生の目的は心の成長であり、正しい生き方が重要」
- 真摯な努力、誠実さ、利他の精神を持つことの大切さ
- 「つまり私には才能は不足していたかもしれないが、人間として正しいことを追求するという単純な、しかし力強い指針があったということです」(本書より)
大谷翔平の愛読書「生き方」を勧める理由5選!

1選:不可能を可能にする思考法
稲盛和夫氏の哲学では、不可能を可能にするには、まず「狂」がつくほど強く思い、実現を信じて前向きに努力を重ねることが唯一の方法だと説明しています。
なぜなら、人間の思考には現実を創造する力があり、強く思い描くことで、脳内で新たな神経回路が形成され、その実現に向けた行動が自然と生まれるからです。
大谷選手はこの思考法を体現し、「無理だと思わないことが一番大事。無理だと思ったら終わりです」と語っています。
投手と打者を両立する「二刀流」は多くの専門家から不可能と言われましたが、大谷選手はその可能性を信じ続けました。
メジャーリーグに移籍後も「50-50」という前人未到の記録に挑戦し、2024年にはついにそれを達成しました。
発想を限定せず、可能性を信じることが、不可能を可能に変える第一歩といえます。
大谷選手のように「誰もやらないことをやってみたい」という好奇心と「できる」という強い信念を持つことで、常識の壁を越えることができるのですね。
2選:「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」の方程式
稲盛和夫氏は「人生・仕事の結果=考え方(-100~100)×熱意(0~100)×能力(0~100)」という方程式を提唱して、これは大谷翔平選手の成功にも当てはまります。
この方程式が重要なポイントは、正しい考え方と高い熱意があれば、能力の差を何倍にも補うことができるという点です。
大谷選手は高校時代から並外れた能力を持っていましたが、それだけでなく「クリスマスも練習」するほどの熱意と、「誰もやらないことをやる」という独自の考え方を持っていました。
あるクリスマスに練習中「あっ、これいいかもしれないな」というひらめきがあり、
「クリスマスだからと練習を休んでいたら、このひらめきに出会えなかった」と感じたエピソードは、この方程式の実践例と言えますね。現代ビジネス
この方程式は、才能だけでは成功できないことを教えています。
大谷選手の例からわかるように、正しい考え方と高い熱意が加わることで、人生や仕事の結果は何倍にも拡大するでしょうね。
3選:試練を「機会」として捉える姿勢
稲盛和夫氏は「試練を『機会』としてとらえることができる人―そういう人こそ、限られた人生をほんとうに自分のものとして生きていけるのです」と説明しています。
試練や困難は誰にでも訪れますが、それを自己成長の機会と捉えるか、不運な出来事と見るかで、その後の人生が大きく変わります。
前向きに捉えることで、困難から学んで、より強くなれるのです。
大谷選手がドジャースへ移籍した2024年、彼は二つの大きな試練に直面しました。
一つは結婚という人生の転機、もう一つはエンゼルス時代から公私を支えてきた水原一平氏の違法賭博事件です。
水原氏が大谷の銀行口座から自身の口座へ送金するという不正が発覚し、最も信頼していた人物の背信行為は大谷に大きな衝撃を与えたはずです。
しかし、大谷選手は決して弱みを見せず、むしろプレーに没頭し、本塁打を量産。
夏場からは盗塁も急増し、最終的に「50-50」という偉業を達成しました。
この試練さえも自己成長の「機会」として活かしたのです。
困難に直面したとき、それを「試練」ではなく「成長の機会」と捉える姿勢こそ、大谷選手と稲盛哲学に共通する強さの源泉です。
私たちも日常の小さな挫折を、自己成長のチャンスと捉え直すことができますね。
4選:大切なことに集中して生きる生き方
稲盛哲学では「徳>才」、つまり「才能より人格が重要」という考え方がいちばん大切と説明しています。
大谷選手もこの価値観を行動で表しています。
稲盛和夫氏は「人の上に立つ者には、才覚よりも人格が問われる」と説き、真面目さ、素直さ、努力、謙虚さといった「本質的要素」を重視しました。
これらの徳が、長期的に見て真の成功をもたらすと考えています。
大谷選手は並外れた才能を持ちながらも、常に謙虚で誠実な人柄を貫いています。
メジャーリーグで活躍する現在も、インタビューでは常に謙虚な姿勢を崩さず、チームメイトへの感謝を忘れません。
また、練習に対する真摯な姿勢は、高校時代から変わっていません。
同期入団の鍵谷陽平選手は「翔平は野球のことだけ考えて生活している。あの年だったら、もっと遊びたいだろうに。
自分が周りにどれだけ期待されているかということを自覚しているんでしょうね」と語っています。
大谷選手の成功の根底には、単なる才能や技術ではなく、稲盛哲学が説く「本質的要素」—真面目さ、素直さ、謙虚さ、努力—があるのです。
私たちも技術や知識の習得だけでなく、人格形成に力を入れることで、より価値ある成功を目指せるますね。
5選:一日一日をど真剣に生きる姿勢
稲盛和夫氏は「自分がなすべき仕事に没頭し、工夫をこらし、努力を重ねていく。
それは与えられた今日という一日、いまという一瞬を大切に生きることにつながります」と説き、この日々の積み重ねが大谷選手の姿勢にも見られます。
大谷選手は野球のことだけを考えて生活していると周囲から評されるほど、日々の練習や自己研鑽に没頭しています。
クリスマスも練習を休まず、そこで得た「ひらめき」に喜びを感じるエピソードは、まさに「一日一日をど真剣に生きる」姿勢の表れと言えるでしょう。
また、中学から高校に進学したとき、スピードガンで自分の投球スピードが測定できるようになり、
「自分の工夫でそれを伸ばしていくことが楽しくて仕方なかった」という言葉からも、日々の小さな成長を大切にする姿勢が伝わってきます。
「今日」という日を大切にし、目の前の仕事や挑戦に全力を尽くす姿勢が、結果的に大きな成功につながります。
大谷選手と稲盛和夫氏に共通するこの姿勢を、私たちも日常に取り入れることで、人生をより豊かに、より充実したものにできることでしょう。
大谷翔平の愛読書「生き方」の著者稲盛和夫との共通点は?

大谷翔平さんと稲盛和夫氏の共通点は、「不可能」と言われることに勇気を持って挑戦する姿勢と、その実現のための具体的な思考法でした。
稲盛和夫氏の言葉
「不可能を可能に変えるには、まず『狂』がつくほど強く思い、実現を信じて前向きに努力を重ねていくこと。それが人生においても、また経営においても目標を達成させる唯一の方法なのです」
は、まさに大谷選手の生き方そのものを表しています。
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