大谷翔平の夢ノート完全ガイド
マンダラチャート実例と書き方
メジャーリーグで日本人初のホームラン王、二刀流として前代未聞の活躍を見せる大谷翔平選手。 その驚異的な成功の裏には、高校時代から実践してきた「マンダラチャート」と呼ばれる特殊な目標達成シートがありました。 この記事では、大谷選手が実践した夢ノートの具体的な書き方と活用法を図解で解説します。
1. マンダラチャートの基本構造
マンダラチャートは、9×9のマス目に構成された目標達成シートです。中央に大きな目標を据え、その周囲8マスに目標達成に必要な要素を記入し、さらにそれぞれの要素について8つの具体的行動目標を設定します。
大きく分けて「A型チャート」と「B型チャート」の2種類があります:
A型チャート
3×3の9マスからなる基本形。中央に目標や課題を置き、周囲8マスに関連する項目を記入します。
B型チャート
A型チャートの各マスをさらに3×3の9マスに分割した発展形。合計81マスとなり、大谷選手が使用していたのはこのタイプです。
A型チャート(基本形)
B型チャート(発展形)
目標
2. 大谷翔平選手のマンダラチャート例
大谷翔平選手の夢ノート(簡略版)
体づくり
- 体のケア
- サプリメント
- 柔軟性
- スタミナ
- 食事管理
- 可動域拡大
- 筋力トレーニング
- ケガ予防
人間性
- 挨拶
- 返事
- 礼儀
- 感謝
- コミュニケーション
- 謙虚さ
- 思いやり
- 反省する心
メンタル
- 平常心
- 集中力
- ポジティブ思考
- 自己肯定感
- 克己心
- 忍耐力
- プレッシャー耐性
- 向上心
コントロール
- ストライク率アップ
- フォーム改善
- リリースポイント
- コーナーワーク
- 投球練習
- ブルペン投球
- フォロースルー
- 安定感
ドラ1
8球団
キレ
- 手首の使い方
- 指の使い方
- 腕の振り
- 体の開き
- 軸足
- リリース
- 回転数
- 球種の差
スピード160km/h
- 下半身強化
- 体重移動
- 肩甲骨柔軟性
- 腕の振り
- 股関節強化
- 体幹トレーニング
- フォームの安定
- 体重増加
変化球
- カーブ
- スライダー
- フォーク
- カットボール
- チェンジアップ
- 球種の組み合わせ
- 制球力
- 変化の幅
運
- ゴミ拾い
- 道具を大切に
- 審判さんへの態度
- 部屋の掃除
- 周囲への感謝
- 挨拶
- 時間厳守
- 環境整備
ポイント解説
- 大谷選手は中心に「ドラ1 8球団」(ドラフト1位で8球団から指名される)という具体的で高い目標を設定
- 8つの主要要素には、直接的な技術項目(スピード、コントロール)だけでなく、「人間性」「運」など間接的な要素も含まれている
- 「運」の項目に「ゴミ拾い」「審判さんへの態度」などを含めるなど、人格形成にも意識を向けている
- 各要素にさらに8つの具体的行動を設定し、計64個の行動指針を明確化している
注目すべき点
- 目標を「具体的な数値」で表現(例:スピード160km/h)
- 技術的な要素と「人間的成長」のバランスが取れている
- 最終目標(ドラ1)から逆算して必要な要素を洗い出している
- 一見野球と関係ないように見える項目(掃除、挨拶)も含まれている
大谷選手の言葉
「目標設定をする際は、なるべく具体的に、また少し高い目標を書き込むようにしていました。達成するために必要な要素を細分化することで、日々何をすべきかが明確になります。」
大谷選手は高校1年生の時に作成したこのマンダラチャートを通じて、自分の進むべき道と日々の行動指針を明確にしました。結果として、高校卒業後すぐに北海道日本ハムファイターズからドラフト1位指名を受け、その後メジャーリーグで二刀流として活躍するという前例のない偉業を成し遂げています。
3. マンダラチャート作成の4ステップ
マンダラチャートを用意する
まずは81マスのマンダラチャートを用意します。方法は以下の3つがあります:
- 紙に手書き:最もシンプルな方法。大谷選手も手書きで作成していました。
- デジタルツール:Excel、Google スプレッドシートなどで作成できます。
- 専用アプリ:「72Action」などのアプリを活用すれば、スマホで常に確認できます。
マンダラチャートの作成自体に時間をかけすぎないよう注意しましょう。内容が重要であり、形式は二の次です。
中心に最大の目標を設定する
マンダラチャートの中心(トランク)には、達成したい最大の目標を記入します。このとき、以下の点に注意しましょう:
- 具体的に:「成功する」ではなく「年収1000万円達成」のように具体的に
- 挑戦的に:現状の延長線上ではなく、少し背伸びする高さの目標を
- 期限を含める:「3年以内に」など時間軸を明確に
良い例と悪い例
良い例
- 1年後に営業成績トップ10入り
- 3年以内にTOEICスコア900点達成
- 2年後にフルマラソン3時間30分で完走
悪い例
- 仕事で成功する
- 英語が上手くなる
- 健康になる
8つの主要要素を決める
中心目標を達成するために必要な要素を8つ考え、中心を囲む8マスに記入します。以下のカテゴリから考えると良いでしょう:
スキル・技術面
- 必要な技術やスキル
- 専門知識
- 学ぶべき分野
資源・ツール
- 必要な道具や環境
- お金や時間
- 人的ネットワーク
メンタル・心理面
- 心構えや姿勢
- 習慣やルーティン
- ストレス管理
人間関係・環境
- 人間性や人間関係
- コミュニケーション
- 環境づくり
大谷選手のように、直接的な要素(スキル、知識)だけでなく、間接的な要素(人間性、運)も含めると、より立体的で実現可能性の高い計画になります。
各要素ごとに8つの具体的行動を設定する
最後に、各要素(ブランチ)ごとに、さらに8つの具体的な行動目標(リーフ)を設定します。この段階では、日常生活で実践できる具体的な行動に落とし込むことが重要です。
例:「英語力向上」という要素の8つの行動
- 毎朝30分の英語リスニング
- 週3回のオンライン英会話
- 毎日10個の新単語を覚える
- 英語の記事を毎日1つ読む
- 通勤中に英語ポッドキャストを聴く
- 週末に1本の英語映画を字幕なしで見る
- 月1回の英語ディスカッションイベント参加
- 英語日記を毎晩書く
効果的な行動設定のポイント
- 具体的に行動レベルまで落とし込む:「勉強する」ではなく「毎日7時から8時まで文法問題を解く」
- 測定可能にする:数値や頻度を含める(毎日、週3回、月10回など)
- 現実的な行動にする:無理なく続けられる範囲で設定
- 日常に組み込める:既存の習慣に紐づける(例:通勤中に、食事後に、など)
マンダラチャート完成までの道のり
Step 1: マンダラチャートを用意
3×3のマス目を9セット作成し、B型チャートを準備
Step 2: 中心に最大の目標を設定
具体的で挑戦的な目標を中央マスに記入
Step 3: 8つの主要要素を決定
目標達成に必要な8つの要素を周囲のマスに記入
Step 4: 64個の具体的行動を設定
各要素に対して8つの具体的行動を設定
完成!
81マスすべてを埋める必要はありません。後から追加・修正も可能です
4. 実際に使えるテンプレートのイメージ
以下は、実際に使えるB型マンダラチャートのテンプレートです。このイメージを参考に、紙やExcel、専用アプリなどで作成してください。
各マスの役割
- 中心マス(青色):最終的な目標を記入
- 周囲8マス(水色):目標達成に必要な8つの要素(ブランチ)
- その他のマス(白色):各要素を達成するための具体的行動(リーフ)
テンプレート作成方法
- Excel/スプレッドシート:9×9のセルを用意し、中心と8つの要素のセルに色付け
- 手書き:方眼紙や白紙に9×9のマス目を描き、色ペンで色分け
- 専用アプリ:「72Action」などのマンダラチャート専用アプリを活用
テンプレート使用時の注意点
- すべてのマスを一度に埋める必要はありません。時間をかけて徐々に完成させていきましょう。
- 書いた内容は定期的に見直し、修正・更新することで効果が高まります。
- 完璧を求めすぎず、まずは書き出すことを優先しましょう。
- 目標や環境が変わったら、新しいマンダラチャートを作成するのも良い方法です。
5. マンダラチャート活用のコツとポイント
常に見える場所に置く
作成したマンダラチャートは目に入りやすい場所(デスク、冷蔵庫、手帳、スマホの待ち受け画面など)に置きましょう。目にする頻度が高いほど、意識に定着し、行動に移しやすくなります。
定期的に見直す
週に1回程度、マンダラチャートを見直す時間を設けましょう。進捗状況を確認し、達成したものにはチェックマークを入れるなど、可視化すると達成感とモチベーションが高まります。
修正を恐れない
マンダラチャートは固定されたものではありません。環境や状況の変化に応じて、内容を修正・追加しましょう。むしろ修正を重ねることで、より実現可能な計画に近づきます。
「グ・タ・イ・テ・キ・ニ」の原則
マンダラチャートを効果的に活用するには、「グ・タ・イ・テ・キ・ニ」の原則を意識すると良いでしょう:
グ:具体的に書く
抽象的な表現ではなく、具体的な行動レベルまで落とし込みます
タ:達成可能なことを書く
現実的に達成できるレベルの目標や行動を設定します
イ:意欲が持てることを書く
自分が本当にやりたい、興味を持てることを書きます
テ:定量化する
日数や回数など、なるべく数字で表現します
キ:期限を決める
いつまでに達成するかの期限を設定します
ニ:日課にするつもりで書く
日常の習慣に組み込めるような行動を設定します
よくある失敗と対処法
書くだけで満足してしまう
マンダラチャートを作成しただけで満足し、実際の行動に移せないことがあります。
対処法
- 日々の行動計画に組み込む
- 小さな行動から始める
- アクションを習慣と紐づける
- 毎朝、今日実行する項目を3つ選ぶ
項目が思いつかない
全部で64個もの行動項目を考えるのは大変で、思いつかないことがあります。
対処法
- すべてを一度に埋める必要はない
- 書籍やウェブで情報収集する
- その分野の専門家に相談する
- 同じ目標を持つ人の行動を観察する
モチベーションが続かない
最初は意気込んでも、時間が経つとモチベーションが低下することがあります。
対処法
- 小さな成功を祝う習慣をつける
- 進捗を可視化する(グラフ化など)
- 目標を共有できる仲間を作る
- 定期的に目標の意義を再確認する
全部やろうとして挫折する
64個すべての行動を一度に実行しようとして、負担が大きくなり挫折することがあります。
対処法
- 優先順位をつけて段階的に実行する
- 週や月ごとに実行項目を決める
- 「1日3つ」など限定して取り組む
- 習慣化できたら次の項目に移行する
マンダラチャートの実践例
ビジネスでの活用例
- 問題解決:中心に「解決したい問題」を置き、解決策を展開
- プロジェクト管理:大きなプロジェクトの細分化と進捗管理
- アイデア創出:新商品開発や業務改善のアイデア出し
- キャリア計画:キャリア目標と必要なスキル・行動の整理
学習での活用例
- 資格取得:必要な学習項目と行動計画の整理
- 語学習得:リスニング、スピーキング、文法など分野別の学習計画
- 論文執筆:研究テーマの分解と執筆計画
- 技術習得:プログラミングやデザインなどの技術習得計画
生活・健康での活用例
- 健康管理:体重管理、運動習慣、食生活改善などの計画
- マイホーム計画:貯金計画と資金調達、物件探しなどの整理
- 趣味の上達:楽器演奏、絵画、写真など趣味のスキルアップ計画
- 時間管理:日々の時間の使い方と優先順位の整理
まとめ:大谷翔平式夢ノートで夢を実現する第一歩を踏み出そう
大谷翔平選手の夢ノート(マンダラチャート)は、単なる目標リストではなく、夢を実現するための具体的な行動計画です。中心に最大の目標を据え、それを達成するための8つの要素と64個の具体的行動に分解することで、途方もない夢も達成可能な小さなステップに変換できます。
このマンダラチャートの最大の価値は、「何をすべきか」を明確にすることで、行動への障壁を下げる点にあります。大谷選手は高校時代にこのシートを作成し、そこからプロ野球選手になり、さらにメジャーリーガーとして歴史に残る活躍をしています。
大谷選手の例に学び、あなたも今日からマンダラチャートを作成し、夢への第一歩を踏み出してみませんか?大切なのは書くだけでなく、実際に行動に移すこと。小さな一歩の積み重ねが、やがて大きな成功へとつながっていくのです。
参考文献・リソース
書籍
- 『仕事も人生もうまくいく!【図解】9マス思考マンダラチャート』 松村剛志著・青春出版社刊
- 『日本人メジャーリーガーが目標達成した!夢を叶えるマンダラチャート』 マツダミヒロ著 松村剛志監修・宝島社刊
- 『マンダラ思考で夢は必ずかなう!』 松村寧雄著・フォレスト出版
ウェブサイト・アプリ
- 一般財団法人日本マンダラチャート協会(https://mandalachart.jp/)
- 72Action(スマホアプリ)- App StoreやGoogle Playで入手可能
- 無料テンプレート:各種ウェブサイトで「マンダラチャート テンプレート」で検索